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「ほら、お前も食べるか?」
「クアーッ!」
そう言ってホワイト・ウォーブラーの子供の口へと黄色い果実を放り投げる菖蒲。
本来であればモンスターが人に懐く事などまずあり得ないのだが、この白いモンスターに至ってはその限りではないようだ。
「美味いか」
「クエッー!」
「そうか」
白いウグイスを太らせたようなその相貌は、現代日本であったならばマスコットキャラクターとして人気が出そうなユルい見た目。
頬を菖蒲へと擦り付けながら、嬉しそうに飛び跳ねるホワイト・ウォーブラーの負傷した羽は、今では動き回る事が出来るくらいには回復していた。
「あんまりくっ付くなって」
「クアーッ!」
「おい」
すっかり気に入られた様子の菖蒲はやれやれといった仕草で、傍に固定されている荷馬車のようなものへとその目線を移す。
菖蒲の所持する古本、アカシックレコードなるものから突如現れた謎の乗り物だ。
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