ODETTO

第十楽章+寂しかったから

『ヴィラ坊はドレスならこういうの、タキシードならそれだけスレンダーなら何でも似合いそうだが……ワーウルフならやっぱびしっと決めた方が良いね』

…と、めまいがしてしまいそうな高いドレスやタキシードを粗雑に投げる彼女に慌てて手を広げ受け取るヴィラ。

広げてみていると―

『そうそう、先日身を隠して人間界を視察していた

マッドロード様の第一王子、ロックベル様が視察を終えてレヴィノンサへ帰ってきたからって

服を誂えるってうちに来られてドレスを数着買っていかれたけど

"人間界は、ドレスは女性しか着ないものだったから久しぶりに選ぶのが楽しい"って言っていたよ

人間界って面白いな、性別で着る服が縛られるそうだぜ

全く自由じゃないねえ人間界は、おしゃれをたのしめていないなんてさ！』

と、かれらから遠く離れたこの地区のはなしをしてくれました。