第十楽章+寂しかったから

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『闇色にアメジスト色の差し色が入った結構シンプルなやつだけど、アレ俺の自信作だったから王家の眼に留まって嬉しいぜ …王家って皆雑誌でみると絢爛豪華でごってごてなものばかりが"王家御用達"なんて紹介されてるけど… あれってやっぱり買わせたいだけなんだろうな 少なくとも、うちで買われていくものは親子揃って、どれも全部シンプルなものだよ まあマッドロード様って派手好きって感じでもないけど』 動かないヴィラをマネキンのよう、端から服を合わせるイライザ。 ……そのヴィラが、陳列棚に掛けられたひとつのドレスを見て、ぴったりと動かなくなりました。 その、みつめる先を追いかけたイライザが短い眉を寄せます。 『それは坊やが着たら弾けるよ?気に入ったならお前さんように仕立てようか?』
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