第十楽章+寂しかったから

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『…いや、………テテの……元主人とか…かなって……でも思い違いだった。 知らない人だった テテは黙って引っ越しをしようとしているから …今、はちあわせになったらかわいそうだなって』 『そうかね』 そうしているあいだに、目がくらみそうな会計を済ませたリオウ。 『今日はルカとラグーナが来るから偶々開けてたんだ。ラッキーだぜ旦那。 ちょっと茶でもしていけば来ると思うけど、どうだ?逢っていけば?』 どうやらお店を開けていたのは他に用事があるようで…首を傾げて少し笑うイライザに、リオウは申し訳なさそうにかたをすくませました。 『…すまないね、どうしても行きたい場所があるんだ』 …と、断るのが苦手なリオウとしては、めずらしくはっきりとおことわりの言葉を口にします。 『……そっか。また空いてたら来てくれよ』 『ああ、レルニア夫妻にもよろしく頼むよ』
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