第十楽章+寂しかったから

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“ヴィラが初めて通る道を迷わないように”と、かたく手をむすんだままのリオウは もっともっと寄りたかったおみせを「次回の楽しみだね」といいきかせ、ゲートへと向かいます。 『ふふ、二人ともね、とても過保護なんだ。ちょっと恥ずかしい時もあるけれどね……でも、こうやって離れて暮らすとそれがありがたいんだ。…ああ、大切にされてるなあって。 ……ヴィラは故郷にご家族は?』 『………覚えていない……いたと思う……。 リオウ達を見て、思い出そうと思ったけれど…… なにか、重いふたをしてしまったように思い出せないんだ…… 何で、だろう』 リオウのことばに対して、しずしずと返すヴィラ。 その言葉には…いつもの 恐怖がかくれているように感じられました。
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