第十楽章+寂しかったから

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『…そっか……。 じゃあ、今日、一緒に街を歩き回った事は、ずっと忘れないでおくれ …それと、ヴィラ。 ちょっとやつがれに背を向けて上を向いてくれないかね』 何をするつもりでしょう? 疑問には思いましたが、リオウが悪いことをするはずがない そう思ったヴィラは、言われるままにリオウへ背をむけて、空をあおぎました。 すると…美しいけれど、たてものでふちどられて狭くなった空が目に飛び込みました。 それは、まるで額縁にかざられた絵のよう。 『…はい、いいよ』 髪を触っていたように思えますが、何をしていたのでしょうか? 『こうすれば見えるかな』 と、胸ポケットからてかがみを取り出すと、ヴィラへ手渡したリオウ。 言われる儘、鏡でその顔をうつし、いわれるまま横を向くとー…
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