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『あ……』
ふわりと風になびいた、ヴィラの瞳と同じ色のリボン。
ひとつにだきしめられた髪も、一緒にさらさらとなびきました。
『…洋服と一緒に、あげる。ヴィラが癒えて家を出て行くときが来たときは
一緒につれていっておくれ』
まるで、パーティーに行くかのよう、髪をまとめられたヴィラは、ずいぶんと格好よく見えます。
『今日の事は…何があっても忘れないし、頂いたもの、ずっと、大切にする』
そう、はっきりと言ったヴィラの言葉には恐怖がなく
強くにぎられた手のようでした。
ゲートまで、もう少し。
マッドロード区からかえる時間を惜しむよう、ふたりはゆっくりと歩きます。
ひとがいなくなって寂しくなった通りみち
リオウがぽつりと口をひらきました。
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