第十楽章+寂しかったから

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『…………わたしは、リオウにお礼をいわれるような事なんて……』 ヴィラのことばをさえぎるよう、リオウは、ううんと言葉をかさねました。 『言わせておくれ。確かにヴィラからすれば、やつがれへお礼を言ってくれる気持ちは解るよ でもやつがれは、キミと、テテが居て言葉を交わすことで気が紛れているから 寂しくないから助かっている そのまま、この虚無感を祓って貰えれば助けた甲斐があるね』 『―――』 にっこりと笑うヴィラの顔。 やさしくて、あたたかいえがお。 『…ようやく笑ったね、ヴィラ』 『そう、だったか?』 リオウに言われ、あいた手で自分のほほをなでるヴィラ。 『うん、さっきまで、わらっても取り繕うような、頬の筋肉を上げただけのような笑顔で 感情表現が苦手なのかなって思ったけれど… うんうん、良い良い』 『………リ』
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