第十一楽章+ごあいさつ

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ことだまが込められたお手紙から響いたのは、リオウのおかあさんのものです。 優しく、温かい声の花はリオウ達をきづかうと、すいこまれるように手紙の中へかくれてしまいました。 『……要らない、って言わなかったっけ……やつがれ』 朝から、玄関でドスンドスンと大きな音がして驚き、ガウンを羽織ったままのリオウとヴィラが大あわてで走ってきたら おかあさまのこのお手紙とかたづけるのに苦労しそうな沢山の荷物。 リオウはこまったようにヴィラを見ます。 『え!昨日リオウのおとうさんとおかあさんに逢ったの!?ずるーい!!テテも見てみたかったのに!!』 やわらかいにくきゅうでリオウのおでこをたたくテテ。 こんどまた行こうね、とうわの空で返すリオウは大きなにもつに狙いをさだめると、木の皮で編まれた袋から中身をとりだしました。
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