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それなのに俺だけがどうして・・それも、よりによって妹の友達ばかり・・・
俺はアイドルなんてこれっぽちも興味が湧かないし・・
これは紛れもなく俺が年下好きってことだよな?
一人目の年下の子は、妹の智子の幼馴染、近所のボロアパートに住む女の子だった。
名前は「小川悠子」・・智子は「悠子ちゃん」と呼んでいた。
智子より少し痩せていて家が裕福でないせいか、いつも同じ色のワンピースを着ていた。
ボロアパートの前にある小さな砂場で二人で遊んでいるのを学校帰りによく見かけた。
悠子のおかっぱ頭が俺を見つけると「智ちゃん、お兄ちゃんよ」と俺に背を向けてる智子の肩をポンポンと叩いた。こちらを振り返った智子の顔は砂まみれだった。
智子の丸い幸福そうな顔に比べて悠子はどことなく薄幸そうに見えた。
そんな雰囲気が人を惹きつけるせいなのか、その頃まだ小学生だった俺は不覚にも一緒になって遊びたい、と思ってしまった。
もしあの時、そんなことをしていたら俺は一生、妹に兄貴として尊敬されなくなっていただろう。
いや、元々、妹に尊敬なんてされてないから、かまへんか。
そして、二人目の女の子は・・
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