第一ラウンド 小手調べの殺戮ゲーム 一章 手を取り合えば?

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「開会式は終了しました。ではでは、これからゲームのルールを解説しましょう。  まず、皆様には後で指定した教室に行ってもらいます。そこでお互いに軽く自己紹介しましょうか。このゲームは殺し合いのゲームですが、チームを組みたければ組んでも構いません。単独行動よりも、チームを組んだ方が生存率は上がるでしょう。  次に。一応ここは学校ですからね? あなたがたの異能力についての授業を行います。ただし途中で抜けたり勝手に殺し合いを始めたりしても、先生は黙認いたします。ここは『学園』とある以上、最低限のことはするつもりですよ。  そうそう、途中棄権なんて言いだした者は私が即刻処分いたしますのでそのつもりで。あの少女みたいになりたくなければ、最後まで戦い抜いて下さいね。  学園内には寮があります。どの部屋を使っていただいても構いませんし、食堂や風呂場もあるので十分に活用してください。ただし不意打ちなどに関しては私は関知いたしません。とりあえずこの学園で、皆様は一定期間過ごしていただきます。  後で皆様には自己防衛用の小型ナイフを配ります。どう使うかはそちら次第です」  そう一気に説明を終えた彼女は、ここからが本題です、と悪魔の笑みを見せた。 「期間は一週間。一週間が過ぎるまでに人数が16人未満になっていなかった場合は、私が責任を持って皆様を殺します。皆様の能力は全て把握済み、私は皆様全員を殺すことができます。  要は、期間内に確実に殺し合いを行ってくださいということです。一週間が過ぎるまでに規定の人数になった場合は、これ以上の殺しを認めません。余計な殺戮を犯した者は、責任を持って私が殺します」  ――一週間以内に、三人殺せ。でないと皆殺しにする。  学園長が告げたのは非情な言葉だった。  彼女は踵を返して歩き出す。 「では教室に案内しましょう。殺し合う者同士、親睦を深めてみたらいかがですかぁ?」  その紫の瞳は、狂ったように嗤っていた。   ◆
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