第一ラウンド 小手調べの殺戮ゲーム 一章 手を取り合えば?

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 それは、彼がピースに自分の命を預けることと同義。  ピースは思う。確かに状況は一蓮托生ではあるが、これではあまりに一方的なのではないかと。  ピースはまだ困惑したままで彼に問うた。 「えっ、ソーマくん。私、そこまで求めていないよ……?」 「我が剣は、貴女のもの。ピース、オレを騎士に叙任すると、言うんだ」 「でも……」  ソーマは苦い笑みを浮かべた。 「生憎とオレは、そこまで社交的じゃなくてね。あんたくらいしか組みたいって思える相手がいないんだよ。だから」  青銀の騎士の瞳に宿る光は、真摯な思いを帯びていた。  彼には他に組む相手がいない。そしてピースも彼以外に知り合いがいないのは確かだった。  要はお互いしかピースとソーマにはこの学園に知り合いがいない。ピースが持ちかけソーマが受けた。彼の返答の仕方は独特ではあったが、「組みたい」という思いは同じだから。  ピースは何を迷っているんだと、自分を叱咤した。 (せっかくソーマくんが騎士になるって言ってくれたんだ、私はそれを受けなくちゃいけない)  渡された剣は重かった。しかしピースは頑張ってそれを握りしめ、持ち直して改めてソーマの肩にのせ直す。  平和の鳩は、厳かに告げた。 「我、汝を我が騎士に叙任する!」  芝居がかった口調で返し、ピースは恥ずかしそうに笑った。  本来はその後、主となった者は騎士に剣を向け、騎士はその刀身に口づけをして騎士叙任式は終わるのだが、ピースに手順はわからない。  彼女は剣を慎重に握り、その柄をソーマに差し出して返した。  ソーマは穏やかに微笑んでいる。  ここに、新たなチームが誕生した。  平和の鳩と、それを守る青銀の騎士と――。   ◆
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