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「七虹異能学園?」
その日。ある知らせが告知された。
彼女の家に届いたのは、虹色の文字で書かれた綺麗なチラシ。
そこにはこう書かれていた。
〈全国の異能力者に告ぐ! 七虹異能学園に来たれ! 来た生徒には、その力を社会で堂々活かせるようになる『資格』を差し上げる!〉
それは、本当に小さなチラシだった。他のものに紛れてしまいそうな、外見的にはそこらのチラシとは何ら変化のないチラシだった。
しかし、書かれた文章に、華菜の心は高鳴った。
「社会で堂々……」
能力者は幸せになってはならない。なぜなら異端であるから。
誰の言葉だったか。そんなことを言っている人を、華菜はテレビで見たことがある。
しかし、堂々と社会に出られるようになったら? 能力者でも幸せになれるのだろうか。
だから華菜は決めた。チラシを両親に見せて、言った。
「父さん、母さん。私、ここに入りたい!」
彼女がチラシの先に見たのは、未来への展望。
彼女の両親は、彼女の差し出したチラシとその目に浮かぶ強い光を見て、頷いた。
「「華菜がそう望むのならば」」
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