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本当に様々な衣装があったけれど、平凡を自称する華菜――もといピースは、結論、平凡なコスチュームを選んだ。
よく言えば無難、悪く言えば陳腐。白を基調としたどこかの学校の制服にありそうなセーラー服に、頭にはオリーブの髪飾り。茶色のショートボブの髪に、白い長靴下、茶色の靴。
しかしその服装はシンプルでこそあったが、彼女にはよく似合っていた。
置かれていた鏡を見て、ピースは頷いた。
「これでいいです。学園長さん、どうもありがとうございました!」
彼女が動くたびに、頭につけたオリーブの葉が揺れた。
学園長リェイルはそれを見、優しく微笑んだ。
「これで必要なことは決まりましたね。一応説明しておきますと、この学校は全寮制。ですから一度入学しますとしばし、親元には帰れなくなりますがよろしいでしょうか?」
それくらい、ピースは覚悟のうちだ。
「大丈夫です! 正直、わくわくが止まらないんです!」
「気に入っていただけて何よりです。そうそう。あなたがこの学校の敷地を出たらコスチュームは自動解除されますが、あなたがこの学校の敷地にまた入ったとき、今回選んだコスチュームは自動で装備されます。コスチュームは変えることができません。……これで確定してもよろしいでしょうか」
ピースはもう一度、鏡を見た。
そこに映る姿は紛れもない、平和の使い。
「ええ、このままでいいです!」
「そうですか。それでは決めることは決めましたので、本日はお引きとりを願います」
「わかりました!」
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