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「...おい、お嬢さん!大丈夫かいあんた!?」
「ん...ここは...どこ?」
千種が目を覚ましたのは、木でできたベンチの上だった。
見知らぬ老人に背中を叩かれたようだ。
「どこって?見りゃ分かるだろ。上野公園の不忍池!」
「えっ...あら、本当に池がある...。」
「とにかくこのベンチはな、俺のお気に入りなんだよ。頼むから退いてくれねぇか?」
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(確かにここは、上野公園で正しいみたい。でも、なにかが違う...)
(こんな場所にコーヒー屋さん?おまけに噴水...いつのまに作られたのかしら?)
やがて千種は、「上野駅公園口」と書かれた建物を見つける。
行き交う人々にのまれながら、「上野駅公園口」に近づいていく。
(これが、あの上野駅…?この建物、金属で出来てるのかしら。いつ建て替えたの?)
そう思っていると、近くに小さな出店が鎮座しているのを見つけた。
出店に近づいてみると、「宝くじ」とか、「スポーツ新聞」などといった看板が並んでいる。
老齢の女性店員から声をかけられる。
「いらっしゃい。何か買ってく?」
千種は少し思案したあと、こう告げた。
「あの。すみません。新聞の日付を見せて頂いても良いでしょうか??」
「日付?変なこと聞くのねあなた。まぁ、いいけど。はい、どうぞ。」
千種は店員から新聞を受け取って、日付を食い入る用に凝視する。
平成30年9月1日。
彼女は何回も何回も読み返してみる。
平成30年9月1日。
平成30年9月1日。
(平成30年!?平成って何??今は大正ではないの??どういうことなの??)
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