第1章:未知との遭遇

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___ 「...おい、お嬢さん!大丈夫かいあんた!?」 「ん...ここは...どこ?」 千種が目を覚ましたのは、木でできたベンチの上だった。 見知らぬ老人に背中を叩かれたようだ。 「どこって?見りゃ分かるだろ。上野公園の不忍池!」 「えっ...あら、本当に池がある...。」 「とにかくこのベンチはな、俺のお気に入りなんだよ。頼むから退いてくれねぇか?」 ___ (確かにここは、上野公園で正しいみたい。でも、なにかが違う...) (こんな場所にコーヒー屋さん?おまけに噴水...いつのまに作られたのかしら?) やがて千種は、「上野駅公園口」と書かれた建物を見つける。 行き交う人々にのまれながら、「上野駅公園口」に近づいていく。 (これが、あの上野駅…?この建物、金属で出来てるのかしら。いつ建て替えたの?) そう思っていると、近くに小さな出店が鎮座しているのを見つけた。 出店に近づいてみると、「宝くじ」とか、「スポーツ新聞」などといった看板が並んでいる。 老齢の女性店員から声をかけられる。 「いらっしゃい。何か買ってく?」 千種は少し思案したあと、こう告げた。 「あの。すみません。新聞の日付を見せて頂いても良いでしょうか??」 「日付?変なこと聞くのねあなた。まぁ、いいけど。はい、どうぞ。」 千種は店員から新聞を受け取って、日付を食い入る用に凝視する。 平成30年9月1日。 彼女は何回も何回も読み返してみる。 平成30年9月1日。 平成30年9月1日。 (平成30年!?平成って何??今は大正ではないの??どういうことなの??)
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