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朝永
子供の頃、一度だけ出席が許されたパーティーがあった
と言っても子供は俺と、あいつと小さな女の子の3人だけ
非常に場違いだったと幼いながらに自覚したのを良く覚えている
あいつは俺に構うことなんてなくて、小さな女の子を捕まえて一緒に遊んでいた
小さな飯事の延長で、二人は結婚の約束を交わし、互いの両親も本気か冗談か分からない言葉を交わす
俺と母さんの事等見えていないみたいだ
「ねぇ、お兄ちゃん」
いつの間にかあの子が俺の前にいた
目の大きな可愛らしい女の子
「お兄ちゃんも一緒に遊ぼう?」
そう尋ねて小首を傾げる彼女に、俺は首を振った
あいつが、俺の様子を監視しているように見えたからだ
「じゃあお名前だけ教えて」
少し考えてから、俺は口を開く
「僕は…」
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