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都内の大学を無事卒業して、地元で就職する事を決めた僕は、せめて両親を納得させるだけの職場をと思い、地元では有名な会社に無事就職することが出来た。
親元に居たい訳ではない。
両親を安心させるためでもない。
ただ、二つ上の姉の傍に居たいだけだった。
僕は、親からネグレストを受けていた。
でも、父も母も何故か姉の事だけは可愛がっていた。
ある程度大きくなって、姉もその事に気付いたのだろう。
姉が小学校高学年になった頃位からだと思う。
僕の欲しいものを、姉が両親にねだる様になったのは。
お菓子だったら、両親の目を盗んで半分こしてくれた。
ゲーム機だったら、親のいない間にこっそり貸してくれた。
でも、流石に服だけはどうする事も出来ず、姉は買い物に行った先々で「これ、雄心に似合いそう」なんて言いながら、半ば強引に両親を説得してくれていた。
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