余談 おまけ

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もうずい分昔の話です。 今はもうその映画館はありません。 どうしても見たい映画があったのですが、友人たちとの予定が合わず、約束は延ばし延ばしになって、ついに上映期間が終わってしまいました。 でもたまたま会社の近くの映画館でまだ上映していることを知り、会社の帰りに一人で行くことにしました。 そこは昔からある大きな映画館で、友人とは何度も来たことがありましたが、一人で行くのは初めてでした。 もう終わりかけということもあり、館内はガラガラで、誰とも隣合わずに後ろの方の席に悠々と座れました。 映画が終わり、エンドロールの余韻に浸っていた時です。 館内はまだ暗いまま。 ゴツン、と足に何かがぶつかった感触。 何か、小さな生き物が、床の上を右から左へ駆け抜けて行きました。 冬だったので、ブーツを履いていてよかったです。 ぶつかったのはちょうどくるぶしの辺りでしたから、短い靴だと直に触れていたかもしれません。 もし万が一、何かのはずみで噛まれたりしたら…。 その後しばらく映画館では足下が気になって仕方がありませんでした。 くだらない想いで話におつきあいいただき、ありがとうございました。
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