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この肌、まるで人間のようなからだといい、感情を持っていることといい、こんなカラクリ、まったくもってどうなっているのかわからん・・・」
とうに開始の刻限を急ぎているので、構わず急ぎ絵筆を走らせる源内。必死に絵筆の先を見つめる源内の顔がマリアにどんどん接近し、鼻息が胸元にかかった。
「ぷくく・・(≧▽≦)。!
うひゃひゃ・・・くすぐったいってば!源内センセ!!」
我慢しきれなくなったマリアが反射的に手を払うと、源内は見事に宙を泳いで六尺六寸ほど吹っ飛ばされた。
(※一尺は約 3 m、一寸は約 30 cmなので、源内は2mほど吹っ飛んだ)
普通の小娘にこんな力があるはずもないが、源内は驚いた様子もない。
「・・・やれやれ・・・」
絵筆が顔にあたったのか、源内の頬には油絵の具が付いている。
「きゃはは、羽子板で負けたときみたい!」
ため息を付き、座り直しながら脇にあった煙草盆を引き寄せた。
「あ、センセ・・・ごごごゴメンなさい・・・」
「毎度のことだ、慣れている」
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