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そこに狙いを定めて、仮設の小屋をさらりと一時的に作って興行する、という
いわゆるゲリラ的な営業を行なっていた。
(興行=見世物を銭を取ってみせること)
そのため
小屋の作りは、簡単に作れて簡単に解体できる<掘っ立て小屋>の形だった。
掘っ立て小屋とはどういうものかというと
ちゃんとした建物の作り方と違って
礎石(=建造物の土台として柱を支える石)を使わず、
地面に丸い穴を掘ってそのまま柱を埋めるだけ
壁は泥や木板の代わりに、菰や葭簀などのゴザを下げただけ
という
超シンプルなつくりの建物のことをいう。
その作りのためか、見世物小屋は別名 小屋掛けとも呼ばれていた。
薄暗い建屋の中は
夏は蒸し暑く冬は寒く
居心地がいい場所とは決していえない空間だったが、
むしろその居心地の悪い暗がりのほうが客の想像力が高まったのかもしれない。
* * *
ところでこの地、
両国とは<二つの国>という意味で
当時の両国は、現在の場所(=両国橋の東側)と少し違って、両国橋の『東西にまたがった大川両岸の地域』を指していた。
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