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面倒くさい夜から二週間。
佐波川さんとは、あれ以来顔を合わせていない。
部署が違うとはいえ、チラとも見かけないから、徹底的に避けられているんだろう。
まあ。想像通りというか、希望通り。
「ミキちゃん、下手すりゃ相手の恨み買うようなこと、よくやるよね~」
金曜日の会社帰り、大学から付き合いのある小野田 由樹が日本酒片手にケラケラ笑った。
「いつか刺されないでねーナイフでもナニでも」
「ナニって何だよ」
「えー、そりゃミキちゃんにも付いてるようなナニですよ」
「...オイ」
「もーやだー何言わすの女の子に~」と目の前でほざく女から、手酌しようとしていた徳利を奪う。
注いでやれば、両手で小さな盃を大事そうに持つ。
「ミキちゃんありがと~」
「......由樹、お前もうちょっと下ネタどうにかしろよ」
「あ、そうそう思い出した。昨日ね、すっごい快腸ですごいのが...」
「だーかーら!」
またもやケラケラ笑いだすこの女は、似たような境遇のせいか、気の置けない友人で社会人になってからもよくつるんでいる。
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