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「……ここも寂しくなりましたね。」
「そうじゃな。じゃが、これはわしらの自業自得じゃろうて。」
広く荘厳な神殿に佇む一人の美女と老人。清浄な空気に満ちた神殿には塵一つなく、光に満ちていた。
柱一本見ても精緻な細工が施された建物や装飾の数々は、ここがただの神殿ではない事を物語っていた。
実際、話をしている二人の頭上には光のリングが浮き、背中には純白の翼が広がっていた。
この二人は人間ではなく、この世界の最高神と大天使であった。
かつては沢山の天使や従者が暮らしていた天界の神殿。しかし、現在ここに居るのは三人だけである。
神や精霊の力の源は、人々の信仰心と魔力。
それが無くなれば、神や精霊は存在を維持出来なくなり消えるしかない。
人々が神を信仰しなくなり、魔法を忘れていくに連れて精霊や天使、神といった存在は消えていった。
最後まで残ったのが、最高神と大天使。そして彼女に抱かれた幼子である。
「アニメで見た技術を再現するのは良いが、魔法が廃れるとは計算外じゃったのぅ。」
「そのアニメを広めたのは最高神様ですからねぇ。誰も責められませんよ。」
ジト目で最高神を睨む大天使。最高神は冷や汗を流し視線をそらす。
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