デスゲームに必要な存在

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『諸君にはこれから…』 今回のデスゲームの主催者が、仮面を被り参加者の方達に向けての競技方法を説明している間。裏方として雇われている私は、生中継で撮影中の撮影機材に姿が写らないように注意をしながら、主催者の脇に控えて…。 『競技会場には…』 主催者の説明に合わせて、競技会で使用される道具を主催者に手渡して。 『このような道具が、競技会の会場の各所に隠してあるので。諸君等には、これらの道具を探し出しながら競技を遂行してもらう事に…』 私は主催者から説明に使用した道具を受け取ると、静かにしまってから。次に主催者に手渡す物を用意して。 『最終的な勝者には、このような報酬が与えられる事を約束しよう』 競技会の最終的な勝者に与えられる報酬を、撮影機材を通して参加者の方達に見せると。画面に映る参加者の方達の目の色が変わったのを確認して主催者の方は、横に控えている私だけに判る仮面の下で満足気な笑みを浮かべてから頷かれて。 『諸君等の健闘を期待する。それでは良き競技を』 主催者の方の説明が終わると同時に、私は撮影機材を停止させました。 『カパッ』『ふうっ』 主催者の方は説明中に被っていた仮面を脱がれると、満ち足りた笑みを浮かべられて。 『今回の競技会も楽しめそうですね。貴方の協力があればこそです、感謝をしていますよ』 私は恭しく、深々と御辞儀をして。 『勿体無い御言葉です。御嬢様』 競技会の主催者である御嬢様は、執事である私に対して微笑んで下されて。 『貴方は常に弁えていますね。殊勝な心掛けだと思っています』 『恐縮です。御嬢様』 御嬢様は笑顔で、脇に控えている執事である私に対して頷かれると。 『競技会の第一段階の進行は、いつものように貴方に任せます。私はどの参加者が最後まで勝ち残るか賭けに興じている方達と、歓談をしていますから』 私は再び恭しく深々と、御嬢様に対して御辞儀をして。 『はい。御嬢様。御任せ下さい』 御嬢様は私に対して頷かれると、撮影室から退出をなさいました。 『御嬢様に御任せ頂けたのですから、滞りなく競技会を進行させる必要があります』 私は競技会の会場の様子を映し出している画像を眺めながら、決意を新たにしていました。
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