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余っていた手でなんとか反抗するが、体格差もあってびくともしない。最初の時とは違う冷や汗が背中を伝った。
すると、みるみるうちに俺とナオトの距離が縮まる。…これは本当に俺、危機じゃないか?そう思ったら身体から力が抜け、昔からの泣き虫が発動してしまい、目には水が溜まり始める。最後の抵抗として、思い切り睨んでやったが涙目の今ではその効果はないに等しい。
「っ、」
キスされるかと思い、身構えていたがその必要は無かったみたいだ。手で口を覆い、俺から離れた。
緊張が一気に解けた俺はその場に座り込む。
なんだったんだ…今の。今になって心臓がうるさく感じる。っ落ち着けって俺!心なしか、顔も火照っているような気がする。
「今のは無しだろ…」
「は?」
「涙目と上目遣い」
「ふざけんな、俺の精一杯の抵抗だ」
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