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しかし、何故……
「おい、黙ってろ、奴隷ごときが!」
「奴隷?」
言うつもりのなかった言葉が何故か出てしまった。そのくらい、不思議に感じたのだ。
「お前達、その少女、このあとどうするつもりだ?」
いろいろと聞きたいことがある。ただ殺すつもりならば、もらっても構わんだろう。
「はっ、処刑する予定となっております!」
兵士は大声で答える。
「なら、僕がもらっても構わないよな?」
少しだけ、兵士達に重圧をかけてみる。
「か、構いませぬが、皇子の身に危険が……。」
「大丈夫だ。さっきの言葉遣いからして、ただの乱暴者なわけでは無さそうだしな。手錠を取ってやれ。」
兵士達は少女の腕から手錠を外し、僕の前に立たせる。少女は、麻色のボロボロの袖の破れたワンピースしか着ておらず、いかにもみすぼらしい。背丈は僕の肩ぐらいまでしかないようだ。
「なにか問題があったら、僕に言ってくれ。そこのメイド。こいつに予備のメイド服を着せてやってくれ。流石にこの格好じゃ寒いだろう。で、着替えが終わったら、僕の部屋に連れてきてくれ。」
近くを歩いていたメイドに声をかけ、着替えさせてやるよう、頼む。メイドはしっかりと返事をし、少女を連れていく。
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