2.貴方を護る

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「やっぱり、異国の生まれか。てことは……元は貴族の家元かなにかか?この国の言語を喋れるってことは。」 これが聞きたかったのだ。いままでも何度か奴隷とあったことはあるが、皆、言葉が通じなかった。しかし、この少女は言葉が通じ、その上、あの話し方。あの話し方は貴族階級でなければ、身に付くはずのない話し方だ。ということは、どこかの令嬢の可能性がある。もしも、異国の令嬢を奴隷扱いし誘拐したとなれば、国際問題に発展しかねない。 「一応、騎士団長の家元ですが……家はもう没落してしまいました。私は借金の返済の為に奴隷として、売られたんです。国際問題に発展するような者ではないのでご安心ください。」 思考をナチュラルに読まれた。先ほどの兵士達の態度から僕の身分も察したのだろう。 「騎士団長ってことは……えっと、ヒュラさん自身も格闘技とか……。」 「ヒュラ、で構いません。格闘技は得意ですよ。護衛もしたことがあります。」 「そうか。んじゃ、やっと本題に入れるな。……俺の護衛になってくれ。報酬はヒュラ、お前の望むもの全てだ。」 彼女は狐に摘ままれたような顔をする。数秒間沈黙したあと、ヒュラは再び口を開いた。     
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