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「あの時は、クリスマスイヴなら、なにか特別で不思議なことがあってもいいんじゃないかと思ったのです。現に私もそうでしたから――」
「結び屋さんも?」
「ええ、家内とはクリスマスイヴに出会いました。お二人と同じように、手紙で引き寄せられるように出会ったのです」
「それって――」由紀子と敬は互いに顔を見合わせた。
「結局、私達は送り主に出会うことはできませんでしたけど――」
「それを”結び屋”と名付けて、この街でずっと恋を見ておるのです」
そう言って微笑む結び屋の左手には、西日を受けて光る綺麗な指輪があった。
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