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ハーフ円卓会議
金の国の若き王、ギルヴィス・ビルガ・フォンガルドはとても焦っていた。ここ最近でこれ以上ないほどに全力疾走する程度には、焦っていた。
ギルヴィスを知っている者ならば、息を切らせて走る彼の姿に驚いたことだろう。何故ならば、普段の彼は常に落ち着いており、焦りを表に出すようなことは滅多にないからだ。
つい数か月前に即位したこの幼い王は、十二歳という歳相応に背が低い上、少女と見紛う可憐な容姿も相まってか、王としての威厳をあまり感じさせない。だからこそ、彼は少しでもそれらしくあろうと、極力落ち着いた行動を取るよう心掛けているのだが。
(っ、あ、あと、少し……!)
今の彼は、その心掛けを忘れたかのように、高級宿場の階段を駆け上がっている。では何故こんなことになっているのかというと、答えは単純である。
ギルヴィスは、絶賛遅刻中なのだ。
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