162人が本棚に入れています
本棚に追加
舌で耳をくすぐられ、背中が妖しく痺れた。市杵島はなおも耳を愛撫した。耳の穴を舐められ、裏にキスされ、耳たぶを甘噛みされる。
自分も知らなかったが、耳が性感帯の一部だったらしい。それを暴かれたのが恥ずかしいような悔しいような、奇妙な気分で市杵島を睨みつける。
「ずいぶん色っぽい目つきだねえ」
「何言って……う、んっ」
「がっつきそうになる」
暁人の精で濡れた手を後ろに伸ばす。そして、充分に湿らせ、蕾を解していく。市杵島は性急に人差し指を挿入した。
「いっ……あ……」
暁人は声をかみ殺した。指は快楽の芽を撫でつつも、強引に中を開いていく。痛みと快楽で悪酔いしそうだ。
「イチ……継吾さんっ、も、ちょっと、ゆっくり……」
たまらず懇願すると、市杵島は険しい目つきで言った。
「悪い……早く、暁人の中入りたい」
真剣な眼差しで、低く抑えた声音で、熱心に求めてくる。市杵島の欲望をまざまざと感じ、求められる喜びに目眩を覚えた。
「……だったら、さっさと来いよ」
暁人は市杵島の剛直を握りしめた。手の中のそれは固く、熱い。
市杵島は、はあぁっと息をついた。
「これ以上煽られたら止まらねえよ」
「止まる気ねえくせに」
「はは、ご明察」
市杵島は指を抜き取り、暁人の手を添えたまま蕾にあてがった。そして、開かれたそこに己を埋め込んでいく。
最初のコメントを投稿しよう!