第一話 名探偵のいる生徒会から

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第一話 名探偵のいる生徒会から

あの日の感動を………僕は一生忘れることはないだろう。 「あのさ………(ひかる)………僕………君の事が好きなんだ」 あれは爽やかな風が吹く、初夏のことだった。 彼女はまぶしい光に包まれながら、天使のような優しい笑顔で返した。 「うん!私も(さとし)のこと好きだよ」 ああ、想いが通じ合うっていうのは………こんなに素晴らしいことなんだ………。 僕は素直に感動し、素直に光を抱き締めた。 だけど………。 あれからもう二ヶ月が経過するというのに………。 僕たちはキスはおろか………手をつないだこともない。 つまり………全く進展がないのだ。 別に………僕はその………キスがしたいとか………その………まあ、とにかく………邪まな気持ちで悩んでいるんじゃない。 彼女があの日僕に言った「好き」と言う意味………。 あれは……… 「チョコレートパフェが『好き』」とか……… 「熊さんが『好き』」とか……… そういうのと変わらないレベルだったのではないか。 光にとって僕は………まだ、ただの好ましい友人としか捉えられていないのではないか。 そういう不安を抱えている訳で。 「おい。鏑木(かぶらぎ)」 つまり………僕は………。 「おい。鏑木?」     
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