お嬢様 平穏に過ごす

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本来であれば、普通の令嬢らしくゆっくりと振り返り、不思議そうに首を傾げたりするのだが、今いる場所はアメリアが育てている植物の前。 薬草もあるが少々、毒が入っている花もある。 もし、この植物が他の人にバレたりしたら、育てている理由も聞かれるし、最悪の場合、暗殺疑惑までもたれる。 そうなったら、追放ルートまっしぐらになる。 それだけは避けたい。 「驚かせてごめんね。ちょっと話をしようかと思って声をかけちゃった。」 「アディジェ様?」 「アルトでいいよ。ヴィクトリア嬢。」 声の主はアルト・アディジェ。 私の名前を言っている以上、目的はアメリア・ヴィクトリアだと思うが一体、何の目的でここに来たのだ。 「そんな警戒しないでよ。君にお願いがあってここに来たんだから、いい話だと思うよ。」 笑顔で言われても、こいつはうんくさい笑顔の為、警戒します。 しかもアルトとは何も接点がない。 討伐の時、アメリアは森の中にいたので教会の中にいたアルト達には会っていない。 学園でも見かけるだけで、基本アメリアは引きこもっているので会うこともないはずなのに・・・・。 「・・・話とはなんでしょうか。」 「いやね。君と婚約をしたいと思っているんだけど、どう?アメリア・ヴィクトリア嬢」 「はいぃ?」 なぜ、攻略対象(アルト)に求婚されなければならないでしょうか?
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