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「お断りいたしますわ。アルト様。」
「なっっっ!!バッ・・・バラしてもいいんだぞ・・・。」
「まぁ、貴方は出来ないと思いますけどね。」
「・・っ・・。」
図星みたいだ。
アルトはアメリアに反論が出来ず、ただ顔を歪めるだけ。
何も言葉が出ない。
「他の方になんと話されますか?実はあの討伐は殿下ではなく、わが兄がやったと言いますか?・・・臣下として言えませんよね?オーガスタ殿下をはずかしめることになりますから・・・」
そうなのだ。
学園内ではオーガスタ殿下が盗賊を倒したと言うことになっている。
そんな話の中に、実はオーガスタ殿下ではなく他の人が倒したなどと言えば、オーガスタ殿下の評判を落とすことになる。
王家をおとしいれようとする家となれば分かるが、アルトは宰相家のご子息。
宰相家の者が、王家を評判をおとすことなど出来ないのだ。
「くくっ・・。痛い所をつくね・・アメリア嬢。」
「ふふっ。さっきのお返しですわ。」
(・・・へ、ザマーミロ。)
そう言ってアメリアは、令嬢らしくニッコリと笑顔をみせる。
「・・・ここは一旦去った方がいいかも知れないね。」
「うふふ。賢明なご判断ですわ。」
(・・・と言うより関わらないでほしい!)
「まだ、諦めていないから、そのつもりで。」
アルトはそのまま、アメリアに「アデュー。」と言って、この温室を去った。
・・・数分後。
「・・・あーーーーー、もう無理だわ!」
アメリアは、アルトが温室から去ってから数分後いきなり大声をだした。
相当、ストレスが溜まっているのだ。
いや、アルトのせいで、さらに溜まってしまった。
「なにがアデューよ!お前はナルシストかっ!婚約なんてするか、バーカバーカ!今度、会ったら塩撒いてやる!」
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