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「相手の為だと口にしても、自分の思う通りに相手を操る言動。一度はまったら何でもしてしまうような言葉づかい。オレは間近に会ってそう感じたよ。まぁ、あの坊っちゃんはおじょー大好きだけど、もし違っていたら、あの女の為に動かなくなるまで戦うと思うよ。」
「大袈裟ではないか?普通、たかが同じ生徒にそこまではしないだろう。」
「まぁ、少し大袈裟かもしれないけど、でも自分の直感が感じるんだ。こいつは危険だって。だから、1人でもおじょーの味方を増やしたいんだ。学園内だとオレ達はおじょーを守れないからね。」
「だったら尚更お嬢様に伝えるべきではないか?味方が増えて安心すると思うぞ。」
現状、もし学園内で何か起こったとしても対応出来るのは、イーゼスと学園で給仕として働いているセラだけだ。
対応出来ると言っても常にアメリアの傍にいる訳でもなく、イーゼスは監督生ととしての仕事があり、セラもアメリアからの命令で学園にいない時だってある。
ロンのいう通り、クロームのことをアメリアに報告すれば味方が増えて安心すると思うし、それにいざとなれば守ることだって出来る。
なのに、フェイはしなかったのか。
「ロンの言うことも分かるけど、そうしたらおじょーは無理をすると思う。」
「無理をする?」
「おじょーは優しいから、自分を犠牲にしてもオレ達や他のやつらを守ろうとする。あの坊っちゃんのことを話したって、負担になるだけ。だからおじょーには言わなかった。それだけッス。」
「・・・それが本当の意味なのか?」
「一応オレ、おじょーのお守りですからね。誰よりもおじょーのこと見てきたつもりッス
・・・それと坊っちゃんのこと嫌いじゃないんで。実力は認めてないけど、おじょーに対する思いだけは認めているからね。」
「それだけは私も思ったな。」
「でしょー!イーゼス様もあのドン引きの告白!面白いよね、あの坊っちゃん。」
それからフェイとずっとクロームの話で盛り上がってしまった。
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