271人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
この村のアクセサリーといったら木彫りのモノしかないから、石のアクセサリーは持っているだけで自慢になる。
それに、あの子は村長の1人娘。
今持っているアクセサリーの他にも着ている洋服だって、他の子供とは違って明るくてキレイな服を着ている。
「今度、私も王都に連れてってくれるってパパが言ってたの。そしたら王都でドレスを買ってもらうの。」
(私もほしいな・・・。)
私だって年頃の女の子。
アクセサリーだってほしいし、キレイなドレスもほいし。
でも、この村にいれば願いは叶う事がない。
毎日毎日、家の手伝いばかり。
遊ぶことも出来ないし、お金もないから無駄な物をなんて買えない。
お母さんに頼んでも「無理よ。そんなお金はないのよ。」だと答えるだろう。
でも、どうしても欲しかった。
あの子が持っているペンダント。
同じ物ではなくて、もっと大きくてキレイな物を・・・。
(毎日、キレイな服を着てアクセサリーもつけたいなぁ・・・。)
私は毎日、願った。
朝、家を出るときは太陽に。
夜、眠る前には窓から見えるお星さまに。
毎日欠かさず願った。
『いつか願いが叶う日がくるのだろう』、そう信じて願っていた。
最初のコメントを投稿しよう!