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一月一日
親戚からもらったばかりのお年玉は、ほとんど全部マサトに使った。
貢いでいる、と言われればそれまでだ。
でもマサトの笑顔が見られるなら、全然もったいなくなんてない。
あたしの贈ったスーツは、マサトの整った顔や細身の体のラインをより引き立てた。
「かっこいい。似合ってる」
あたしがうっとりと呟くと、マサトはとびきりの笑みを浮かべてありがとう、と目を細めた。
あたしを見つめる、まっすぐな目。
もうそれだけで十分だった。
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