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一月二日
涙が止まらない。
お年玉をほとんどマサトに使ったのがバレて、ママにスマホを取り上げられた。
マサトと連絡をとる、唯一の手段を失ってしまった。
「無駄づかいはやめなさい」
怒鳴るママに、あたしは怒鳴り返した。
「あたしのお年玉をどう使おうと自由でしょ」
「せめて自分で稼げるようになってからにしなさい。あなたは、まだ高校生なのよ」
勉強がおろそかになるからって、バイトを禁止しているのはママなのに。
「スマホ返してよ!」
泣いて懇願しても、ママは首を横に振るだけだ。
マサト。マサトに会いたい。
マサトにとってあたしは大勢のうちの一人でも、あたしにとってマサトは。
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