変質者たちの宴

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 クリスマス・イヴ。いや、時刻でいえば、夜半をすぎてクリスマスとなっている。  ホテルの窓明かりだけが映える寒空の下、男女が入り乱れ、ぴょんぴょん飛び跳ね、駆けずりまわっている。大きな靴下を頭からすぽんと被り、局部を真っ赤なリボンで隠した姿で。  彼らは全身に鳥肌を浮かべ、今にも羽ばたかんばかりに両手を動かし、アスファルトの道路で踊り狂っていた。彼らはお互いに温まりあうことをせず、ただただ一心不乱に元恋人あるいは好きな相手の名前を叫ぶ。 「プレゼントを届けにきたよー!!」  そして震える声でわめき散らし、各々ホテルに突撃していく。
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