札幌セクシ―物語 禁断の愛

サプライズ

　翌日、香島は教会に行き、主任司祭に神父を辞める旨を伝えた。
　主任司祭は、香島がそのうち神父を辞めるだろうと予測していた。
　辞める手続きの説明を受け、それから英会話講師で教会ボランティアのエリックとランチを共にした。

「神父をヤメマスカ？　サビシイ、ザンネンです。でも、理由は聞きまセン」
　エリックは香島に気を使った。

「ハハハ、女だよ。俺は不良神父だったからな」
　香島は昼間からビ―ルを飲んだ。

「Love is the most important」
（愛が一番大切）
とエリックはポツリと呟いた。
　少し涙ぐんでいる。

「I think so」
　（そう思うよ）

「I am very painful now」
（私は今、とても辛いです）

「Why？」
（どうして？）

「I'm gay」
（私はゲイです）

「……………………………I Know」
（わかっているよ）

「It is painful to live false oneself」
（自分を偽り生きるのは辛いです）

「Live like you」
（君らしく生きろよ）
香島はエリックの肩を、ポンッ、と叩いた。
エリックは泣き笑いをしていた。