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バルビエ「バラ園」
ジョルジュ・バルビエ(1882年10月10日~1932年)は、フランスのイラストレーター。
古典を基礎に、日本趣味(ジャポニスム)、中国趣味(シノワズリ)を取り入れたアール・デコ様式のイラストレーションスタイルを持ちます。
またこの頃はファッション雑誌が発刊され、人々がおしゃれなものを追い求めるようになった時代でもあります。
彼の作画は、ファッションイラストを通じて、グラフィックアートとして花開きました。
これらは、平面上に図像を表し、全て平面的な表現をする手法なので、奥行きのある重厚な絵画と比べられて、軽んじられる傾向にありました。
バルビエの絵は、ニジンスキーをはじめとする動きのあるものが多いのですが、珍しくこの「バラ園」は静かな絵です。
アール・デコのファッションの女性がバラ園に佇み、1本バラを手折っています。
少し右に腰をひねったポーズは、日本の仏像のようでもありませんか。
「あー、だるー。早く描きあげてくんないかしらー」とでも言いそうな、退廃的ムードが漂っています。
バラが鮮やかな色でないというのも、意味がありそうです。
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