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ウォーターハウス「嫉妬に燃えるキルケー」
前ページに続き、ジョン・ウイリアム・ウォーターハウスの作品です。1891年の『オデュッセウスに杯を差し出すキルケー』に続き、翌年1892年に描かれた『嫉妬に燃えるキルケー』は、オデュッセウスがアイアイエー島にたどり着く前の話です。
スキュラは、美しい水の妖精でした。彼女に恋をした海神のグラウコスは、魔女のキルケーのところに行き、媚薬を作ってくれるよう頼みました。
ところが、キルケーはグラウコスに恋をしてしまったのです。
キルケーはグラウコスを熱心に口説いたのですが、グラウコスの気持ちは変わりません。
きーっとなったキルケーは、スキュラを醜い怪物に変えようと、水に毒薬を注ぎます。
「憎い」怖い顔です。
スキュラはキルケーの魔法で、4つの目、3列の鋭い歯を持つ6つの犬の頭、触手のような12本の脚、猫の尾を持つ姿に変えられました。怪物となったスキュラは、やってきた船を6つの頭で襲うようになりました。
スキュラは、別にグラウコスのことを好きでも嫌いでもなかったんですよ。なんと気の毒に。
そして、グラウコスは一時はキルケーの愛を受け入れましたが、キルケーの人間を獣に変え虐待する姿を見て、離れていきました。
キルケー、やりたい放題。
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