ヴァロットン「貞淑なシュザンヌ」

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ヴァロットン「貞淑なシュザンヌ」

フェリックス・ヴァロットン(1865年12月28日~1925年12月29日)は、スイスの画家、グラフィック・アーティスト、現代木版画家です。 1922年に描かれた本作、現代風な絵となっていますが、元は旧約聖書のダニエル書第13章にある話を元としています。パロディですかね。 ある時、美しいヘブライの人妻シュザンヌ(スザンヌとも)が、全裸で水浴びをしていました。 それを見た長老二人が、よからぬ思いを抱きます。 「我々と関係(!)しなければ、お前が木の下で青年と密会していたと世間にばらすぞ」と脅しました。 はい? バカなの? 何考えてるの? いもしない青年って誰なのさ。 それを拒絶するシュザンヌ。ですが権力には敵わない。シュザンヌはあわや死刑となりそうになりました。 そこに現れたのがダニエルです。 「ちょっとお話を聞かせてください。お二人とも別々の部屋でね」 そこで、ダニエルは長老たちに、二人が密会していたのは何の木の下か尋ねます。 「乳香樹かな」 「樫の木の下だ」 「はい、そのウソ、見破りました」 こうして、シュザンヌは助かりました。 本作では、シュザンヌは、てかてか頭の老人を恫喝しているように見えます。 532e7444-8a0e-4f40-8312-878cfe7990ba image=510231352.jpg
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