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デュラン「カロリュス・デュラン嬢の肖像」
エミール・オーギュスト カロリュス・デュラン(1838年7月4日~1917年2月18日)は、フランスの画家で、ポートレート画家として大変有名です。
デュランの作品は、モデルを優雅に上品に描くことで、上流階級では好評を得ていました。
本作の「カロリュス・デュラン嬢の肖像」は、1873年に描かれ、サロンに出しています。
モデルは自分の娘マリー・アンヌ、4歳です。
残念ながら入選はしませんでしたが、評価は大変高かったといいます。
「ねえパパ。この犬じゃなくて、パピヨンはいなかったの?」
「いなかったんだよ」
「もう。じゃあプードルでもいいけど、せめてこの色じゃなくて、シルバーはいなかったの?」
「いなかったんだよ」
「あたし、モデルになるのやめようかなあ」
「そんなこと言わないで。この絵を描き終わったら、ドレスを買ってあげるから」
「わわわわわん(おい、こんなちびっ子じゃなくて、妙齢のおねえさんはいなかったのかい?)」
「わかったわかった。シュリエールにも、後でおやつをあげようね」
「わんっ。わわわんわん(おい、本当だろうなっ)」
お互い不満があるようです。
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