マネ「ナナ」

1/1
前へ
/363ページ
次へ

マネ「ナナ」

エドゥアール・マネ(1832年1月23日~1883年4月30日)は、19世紀のフランスの画家です。 紳士の隣に全裸の女性がいる『草上の昼食』や、娼婦の姿を描いた『オランピア』など、スキャンダラスな絵を描く画家として有名です。 1877年に描かれた本作『ナナ』も、パリの高級娼婦を描いた一枚です。 タイトルの「ナナ」は、19世紀後半の売春婦に人気の偽名だったそうです。 火の点いていない2本のロウソクの前にある鏡。ナナはブラシを手に、化粧の最中です。 今だったら、タンクトップに白いふわふわのスカートなど大したことはありませんが、この時代にこの絵の、上半身は下着であり下半身はコルセットという、下着同然の姿は大変にふしだらな姿だと見られました。 右にいるのは顧客でしょうか。「早くしろよ」とでも言いたそうです。 7a1fa16d-4af4-4227-9bf9-2da426d80a57 やはりパリのサロンでの出品は、却下されたそうです。 右奥には、鶴の絵が見えます。ジャポネスクですね。 この絵の完成3年後に、エミール・ゾラが『居酒屋』という小説を発表しました。主人公はナナです。 公私ともに親しかったマネとゾラですが、ゾラのナナがマネの影響を受けたかどうかは不明です。 image=510293168.jpg
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加