第14話 雨は何時か止む

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時雨「...はぁっ...はぁっ......」 夜と同じ様に顔から汗を滝の様に流して荒く息をついている。 身体もガタガタと震えていた。 白露「......時雨、大丈夫?」 恐る恐る時雨に話しかける。 時雨「...はぁ...はぁ...」フルフル 時雨は荒く息をつきながら首を横に振った。 スタスタ... 大志「...時雨、目覚めたか。熱測るから、ほら。...自分でやれるか?」スッ... 隅の机で作業をしていた大志さんがやって来て、時雨に体温計を差し出した。 時雨「.........」コクリ...スッ... 時雨は無言で小さく頷き、体温計を受け取って脇に挟んだ。 大志「......ちょっと質問するが...喋れないっぽいから、縦か横に首を振ってくれ。...気分はどうだ?」 時雨「.........」フルフル 時雨は首を横に振る。 大志「だろうな......気絶する前に何があったか覚えてるか?」 大志さんが手に持ったカルテに何か書き込みながら次の質問をする。 時雨「.........」コクリ 時雨は小さく頷く。 大志「そうか......」 <ピピッ...ピピッ... 大志さんが頷いていると、体温計の小さな音が鳴った。 時雨「.........」ゴソ...スッ... 時雨は体温計を抜き取り、自分で体温を見て大志さんに差し出した。 大志「ありがとな。...熱は無し、か。......やっぱり精神的なものか...」 大志さんが体温計を見て何か呟く。
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