第14話 雨は何時か止む

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大志「......っと、そうだそうだ... 」スッ...スタスタ... ふと、大志さんの声がした。見ると、椅子から立ち上がって僕の寝ているベッドにやって来た。...右手を見ると、何か持っているのが見えた。 時雨「...大志さん...?」 大志「...総長から、これをお前に渡せって言われてな。時雨一人の時にってのも指示されたから...ほら。」スッ... 大志さんはそう言って持っていた布に包まれたものを僕に差し出す。 時雨「...提督が...?......紙...?」スッ... 上半身を起き上がらせ、受け取ると一枚の小さな折り畳まれた紙が挟んであるのに気付いた。 時雨「.........」スッ...パラッ... 紙を取り、開いて中身を見る。 ────『時雨へ。 【近接戦闘演習】の時は辛い思いをさせてすまなかった。 俺が出て行った後にお前が気絶したと聞いて、柄に無くキレた己を恥じた。 これから書く事はその償い...とは言い難い事だが、どうするかは時雨、お前の意思に任せる。 ...我儘かもしれないが、これは出来る限り他人(ひと)には明かさないで欲しい。 お前の中の【獣】を何とかしたいと思うなら━━━━━』 時雨「......!」 僕は内容を見て驚きで目を見開いた。...提督の意図が理解出来なかった。 大志「......なんて書いてあったんだ?」 大志さんが僕の様子を見て尋ねてくる。
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