第14話 雨は何時か止む

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時雨「......僕への...謝罪の......言葉...この布に包まれたものは...後で見る、よ...」 僕は喉から絞り出す様な声でそう答え、紙を畳んで布の結び目に挟み込んだ。 大志「そうか......珍しいな、総長がキレるなんて...」 大志さんがそう呟く。 時雨「......どういう...事...?」 その呟きが気になって尋ねてみる。 大志「...総長がキレた姿を見たのは隊の中でも二、三人位しか居ない。 ...そいつ等の話じゃ、『兎に角生きた心地がしなかった』らしい。 瑞鶴や長門から聞いた話だと......総長はキレると冷徹になるタイプっぽいな。」 時雨「.........」 大志さんの言葉には確かに思い当たるものがあった。 大志「......キレた後に謝る辺り、やっぱし総長は他人思いなんだよなぁ......だが考えや気持ちを溜め込んでるっぽいし...もっと俺らを頼ってくれてもなぁ......ブツブツ」スタスタ... 大志さんはそう呟きながら机に戻っていった。 時雨「......はぁ...」スッ... 僕は軽くため息をついてベッドに横になった。 時雨(......提督は考えや気持ちを溜め込む性格...紙の内容も誰か他人に明かしたくない感じだった......) 天井を見ながら紙の内容を思い返した。......考えても提督の意図が掴めない。
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