第14話 雨は何時か止む

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大志「......ん?」 ベッドの周りを見回し、ある事に気付いた。 ベッド脇のハンガーラックに掛かっていた筈の時雨の制服が無くなっていたのが見えた。 医務室で一晩を過ごす為、白露達に時雨の寝間着用の薄着を持ってこさせていた。 時雨はそれを着て寝た筈... 用足し程度なら態々制服を着る必要は無い...... スタスタ... 大志「......お?コイツは...」 ベッドに近付くと、枕元に開かれたメモ用紙が置かれていた。挟み込んでいた布に包まれたものは見当たらない。 大志「......」カチ...パッ... 俺は枕元の灯りを点け、そのメモ用紙の内容を見た。 大志「.........っ!?総長、アンタ一体何を考えてるんだ...!?」 内容を見た瞬間、俺は思わず小さく声を上げた。 ─────『〇二〇〇、この手紙に添えた小刀を持って、万全の体調で母港へ来い。 俺はそこで待つ。────影政』 謝罪の後に、総長の名前と共にそう書かれていた......
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