第14話 雨は何時か止む

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白露「瑞鶴さん、何で傘を...?」 瑞鶴「多分一雨来るわ!兎に角急ぐわよ!」タッ... 瑞鶴さんがそう言って駆け出した。 白露「.........」 立ち止まって空を見上げると、真っ暗な空に霞んだ月明かりが見えたけど、星は見えない。...確かに雲が夜空を覆い始めていた。 <姉さん!! <早く早く!! 白露「っ!!今行くわ!!」タッタッ... 村雨と夕立の催促する声が聞こえ、私は駆け出した...... ━━━━━ 〇一五八 母港 ~時雨side~ スタスタ... 霞んだ月明かりが電灯と一緒に母港を照らしている。 時雨「.........」スッ... 僕は立ち止まって左手に握っていた小刀を見た。 黒い鞘に雨と雨雲から覗く太陽が描かれている。柄には揺れるススキ。 秋に降る通り雨...『時雨』をイメージした絵だと僕には思えた。 時雨「......行かなきゃ。」スタスタ... 僕は歩き出し、提督の姿を探す。 スタスタ...... 時雨「...!居た...!」タッタッ... ふと、母港に佇む白い人影を見つけて僕は駆け出した。 タッタッ...... 影政「......来たか。」 そこには、刀を携えて海を見ていた提督が居た。
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