第14話 雨は何時か止む

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~瑞鶴side~ タッタッタッタッ... 大志「......!!居た!!」 私達の先頭を走る大志さんが声をあげて前を指差す。 ...ギィン...ギャリ...ガッ! 白露「......っ!?」 村雨「戦ってる...!?」 夕立「一足遅かったっぽい...!?」 瑞鶴「そんな...!?」 私達が見たのは、【黒鬼】を発動して刀を振るう提督さんと、蒼白い眼光を光らせて小刀を振るう時雨の姿だった。 影政【黒鬼】「っはぁ!!」ビュウッ! 時雨「ガァァァァ!!」ガギィ!...グググ... 時雨が提督さんの斬撃を受け止め、鍔迫り合いになる。 白露「何で提督と時雨が...止めないと...!」タッ... 白露が二人の所に駆け寄ろうとする。 ...ガッ! 大志「白露、やめろ!時雨は『獣』を解放してる!今近付いたら殺られるぞ!!」 大志さんが白露の肩を掴んでそう言った。 白露「でも...!」 大志「恐らく総長に何か考えがある!!総長が理由も無く身内と戦う筈が無い!! ...悔しいが、見ているしかない...!」 大志さんは白露の肩を掴んだままそう言った。 白露「...っ...!」 白露は悔しそうに俯いた。村雨と夕立も同じ様に俯いている。 ...ポツ... 瑞鶴「......!」 ふと、頬に何かが当たって私は空を見上げた。 ポツ...ポツポツ......サァァァ... 月は雨雲に隠れてしまっていて、雨が見上げる私の顔を打ち始めた。 白露「雨が...!」 村雨「時雨姉さん...」 夕立「お姉ちゃん......」 時雨「ガァァッ!!」ビュウッ! 影政【黒鬼】「ふっ...!」ガギィ!...ビュウッ! 私達は持って来た傘を差すのも忘れ、雨に打たれながら提督さんと時雨の戦いを見ていた......
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