第14話 雨は何時か止む

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~影政side~ 時雨「ガァァッ!!」ビュウッ! 時雨が小刀を横薙ぎに振り翳す。 影政【黒鬼】「ふっ...!」ギャリ...ビュウッ! それを受け流し、軽く一回転して刀を振り下ろす。 時雨「ガァッ!!」タタッ...ダンッ! 時雨はそれをバク宙で躱し、着地して即座に小刀を構えて飛び掛ってくる。 影政【黒鬼】「はっ...!」ガギィ!...グググ...ギィン! 時雨「ガァッ!?」 俺は振り下ろされた小刀を受け止め、一気に押し上げた。 小刀を持つ手が頭上に上がり、胴体に隙が生まれた。 影政【黒鬼】「はぁぁっ!!」ドゴォ! 時雨「ギャウン!?」ドサッ...! 俺はすかさず峰を時雨の腹に打ち、叩き落とした... ━━━━━ ???? ~時雨side~ ブゥン! 時雨「っぐあ!?」バシャン...! 投げ飛ばされて身体を海に打ち付ける。 時雨【深海】「馬鹿だなぁ......観念して僕に身体を譲るかと思ったら、僕を降すだって? ...冗談でも呆れて笑えないよ。」ガシッ...! 時雨「っあ!?」 起き上がろうとした僕の襟を異常な腕力で掴み上げる。 時雨【深海】「君は消滅させないで心の深海に閉じ込めようと思ったけど...気が変わった。君は殺してあげるよ。」グググ... 時雨「が...は...」 『獣』が首を絞め始める。 時雨(負けて...たまるか......!お前なんかに......!)ググ... 僕は背中側に隠していた震える手で小刀を握り締めて... 時雨「......あぁぁぁ!!」ビュウッ! ザシュッ...! 時雨【深海】「ぐぁぁっ!?」 『獣』の眉間目掛けて小刀を投げ飛ばし、小刀は『獣』の眉間にしっかりと刺さった。 バシャン...! 時雨「...っは...ゲホッゲホッ......どう...だ...!ゲホッ...」 『獣』の手から解放された僕は、咳き込みながらそう言って『獣』を睨みつけた......
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